スパイスラボ神部です。
今回も 【百式企画塾】 に応募してみます。今回は「画期的なケータイを考えた!」というお題です。まずは、テンプレの穴埋めをしてみます。
2009年、あなたが思いついてしまったのは「人間関係がどんどん良くなるケータイ」。コミュニケーションツールとしてのケータイに立ち戻り、持った人の誰もが優しくなれたという、その画期的なケータイについて次のことを教えてください。
そのケータイは、大ヒットサイトである mixi にヒントを得て、携帯電話だけで友達になる機能を搭載していたため、通話そのものが楽しくなる仕組みになっていた。またアドレス帳自体をいじるのが楽しくなるように友達の友達を紹介したり、距離が遠くなりがちな人をお知らせする工夫もされており、さらに通話する人が増えたという。その画期的なケータイの名前はソーシャル携帯。
ソーシャル携帯とは?
さて、まず「六次の隔たり(Six Degrees of Separations)」について説明してみたいと思います。ソーシャルネットワークサービスの興隆で盛んに引用されるようになりましたが、つまりはネットワークの距離の近さの度合いのことで友達の友達の・・・とたどっていくと世界中のどの人にもつながる可能性がある、という俗説です。
ソーシャルネットワーキングの可能性は、この俗説に支えられている部分もあり、こういった人とのつながりが無限の可能性を引き起こすのではないか、という期待を、いくつかのSNSに参加する際に期待する人も少なくはないのではないかと思います。mixi の場合それは具体的にはマイミクシィの申請で、既に知り合いの人でも mixi 上でつながったり、新しく mixi 上でつながっていくことにはそれじたいの楽しさというのもあるものです(少なくとも、最初のうちは)。
さてここからが本題ですが、携帯電話のアドレス帳にはそういった仕組みがあるでしょうか?アドレス帳はあくまでアドレス帳であって、「マイミクシィ」のようにお互いの<知り合いリスト>に介入して友達関係のしくみをつくるというところには至っていません。
ソーシャル携帯ではどんなことが可能になるか?
まず、ソーシャル携帯を持つときは、プライバシーの考え方をこれまでよりもある意味引き下げないと行けません。自分が自分の友達リストを共有するかわりに、他の人の友達リストにもアクセス可能になるわけですから。もちろん、非公開アドレス帳と公開アドレス帳を分けておくことは大事です。そうしないと、いくらなんでも使ってもらえないでしょう。
とにかく利用者がソーシャル携帯の特性を理解でき、それを持つ人が増えてきたらそこからは楽しい携帯電話ソーシャルネットワーキングのはじまりです。
ここでやっと図ですが、図解するとたとえばこんな感じになるでしょうか?
この友達一覧画面が、ケータイの今まで考えもつかなかった使いかを可能にするかも知れません。
ソーシャル携帯での友達の作り方
ソーシャル携帯でアドレス帳にアクセスするとき、一日一回同期される友人のマイページが開きます。もちろんその友人にそのまま電話をかけたりメールを送ったり、はたまたリアルタイムチャットを仕掛けることも可能です。
しかしソーシャル携帯の可能性はそれだけにとどまりません。たとえばその友人が留守電で話し中だったばあい、友人の友人に一斉にIMを投げて友人をつかまえたりしたらどうでしょう。これまで電話ではつながりにくかったどこかの誰かも、ある友人の友人を通して頻繁に連絡がとれるようになるかもしれません。
マイページに連絡先だけではなく、mixi のように趣味や出身地が表示されていたらどうでしょう。自分と属性が近かったとしたら、思わず相手に連絡をとってみたくなりませんか?お互いがソーシャル携帯を持っており、そういった突然のコンタクトに寛容であれば、私たちはウエブサイトもモバイルサイトも介すことなく、携帯電話だけでその上のネットワークをたどって、それこそ世界中の誰とでもつながってしまうかも知れない・・・そんな可能性をもつ携帯電話があったら、今すぐに使ってみたいと思いませんか?
(※この可能性がSNS加入のモチベーションになっていたことをもう一度思い出してください)
Facebook や mixi には、共通の友人同士がいる場合、お互いをおすすめの友達として紹介する機能も出てきています。こういった機能が電話にもたらされたらどうなるでしょうか。
ソーシャル携帯がサポートする「人との距離感」の維持
ここまでの話は、mixi が出来ていて携帯電話が出来ていなかった機能について説明したようなものですが、ここではさらに一歩踏み込んで、このソーシャル携帯だけが持つ「人との距離感を調整する機能」について説明します。この機能は、既存の携帯電話はおろか iPhone でも十分ではない機能といえます。それは「人との距離感」の維持機能です。簡単に言えば、人との交流の仕方の差異によって生まれる「交流偏差値」をなくすしくみが、携帯電話の中に実装されているということです。
どのように「人との距離感」が維持されるべき?
これはとてもバカらしい機能ですが、たとえば最近連絡をとっていない相手が電話帳の中にあらわれてきた場合、その相手ともたまには連絡をとるよう促す機能です。携帯電話のおすすめに従って誰かに連絡をとるなんて、まるで電話に使われているようだ、と考える人もいるかもしれません。
ちょっとシステム視点で考えます。「六次の隔たり」がより一般化されスムーズに運用されるためには、一人当たりのコミュニケーション距離が一定に近い事が期待されます。局所で過剰にコミュニケーションが取られたぶん、他所でのつながりが弱くなった場合、このネットワークによるゆるいつながりはその強さを失ってしまいます。システムとしては当然このほころびを繕おうとするでしょう。
いっぽう一般ユーザの視点に立ち戻ると、ついつい疎遠になりがちな人とそうでない人をつくってしまいがちである、計画性のないコミュニケーションを改善するチャンスにもなるということです。つながりによって生まれる無限の可能性は、特定の自分の好きな人とだけつきあっていては生まれてきません。ですから、システムから促されるとおりに誰かとコンタクトをとるのではなく、むしろ自分の可能性を広げるためのヒントをもらったと思ってもらえるとよいのではないでしょうか。
ソーシャル携帯の実現度について考える
このソーシャル携帯、技術的には全然実装が可能な技術ばかりです。しかし慣例として、携帯電話の電話帳はプライベートなものであったし、特に日本ではそのコンタクトリストを他人と共有などという文化は一切なかったでしょう。
しかし、ここで突然「mixi 携帯」といったものが出てきたらどうなるでしょうか。mixi を通じて築き上げてきたマイミクの人に、「mixi 年賀状」のようにリアルなコミュニケーションを取ることが出来る。それはそのネットワークに依存していれば依存しているほど魅力的なものにうつるはずです。
それが魅力的な物であるということがもし実証されたなら、あとは個人情報に対する考え方や慣例の壁をどこがいつ破れるかという話になるでしょう。ですから、実際にどこかのキャリアのどこかの部署では具体的に機能としては進行しているかも知れませんね?
ただし、プライバシーを軽く考えること、これはキャリアとしての信頼感の低下の可能性にもつながります。ですからこういった「ソーシャル携帯」が誕生するとしたら、まだシェアが大きくなくチャレンジすることのできるキャリア(ウィルコムのような)であったり、iPhone や Android 携帯のようにユーザカスタムが非常にしやすく、利用するソフトウェアに利用者の自己責任が関与するようなタイプの携帯電話がいち早くこういった機能を実現してくるかも知れません。
ソーシャル携帯のコミュニケーションを具体的に
最後に補足として、ソーシャル携帯によって生まれるコミュニケーションを具体的に考えてみます。
ソーシャル携帯の友人関係を、ここでは仮に「モバ友」と名付けます。
1.音楽仲間を見つける
Cさんへ「Bさんのモバ友のAと申します。Cさんはバンドの○○が好きと聞きましたが、この前のCD買いましたか?ライブ行きましたか?」よかったらいろいろお話したいです。」Aより
2.同級生情報を共有する
Bへ「この間は道端でばったり会ってびっくりしたな。そのとき話題になったCの連絡先、携帯に入ってるから今からモバ友情報として送る。電話してやってくれよな!」Aより
3.つながりを無くしそうになった知人との絆を深める
Aさんへ「Bです。この前は突然電話ありがとうございました。なんかモバ友アラートが出ていたので電話をくれたということでびっくりしました。実は最近携帯の調子がわるく、機種変更しようかなと思っていたのです。こうしてAさんから連絡をもらうことがあるなら、早く新しいのに変えようと思います。また連絡してくださいね」Bより
ほかにも、わらしべ長者のように電話番号を交換していくことで有名人につながろうとするようなチャレンジャーも出てくるかも知れません。そしてこのアドレス帳がマイミクシィリストのように上限1000人だったとしたら、あなたは「誰かの1000人のリストの中のひとり」になることはできるでしょうか?
いかがでしたか?こんな未来、来ない方がいい、なんていう方もいるかもしれません。しかし、未来は待ってくれないのです、もしそれが来ると決めたときには。
参考リンク
-【百式企画塾】 画期的なケータイを考えた! | IDEA*IDEA
-入門ソーシャルメディアマーケティング(SMM):画像付きで入り口から解説【後編】 | Web担当者Forum
-鈴木純一の「世界は狭い?」(1)
-六次の隔たり - Wikipedia
-秋元@緯度が高いと寒くて暗いねえ » 六次の隔たりがマイクロソフトの研究で立証されたというニュースが
-mixi Engineers’ Blog » mixiのスモールワールド性の検証
-H-Yamaguchi.net: 新「六次の隔たり」仮説を発見したかも、という話
-「信じたい心」を増幅するネットワーク:コラム - CNET Japan
-ひろゆき数 | hemiolia.com
コメント ( 1 )
台湾、中国に関してはCNETとかInternet Watchとかに出せば結構広がるらしい、ってある所の広報の方から聞きました。
投稿者: アヨハタ | 2008年12月11日 15:42
日時: 2008年12月11日 15:42