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Adobe もクラウドをはじめた!各社のクラウドサービスの特徴は?

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スパイスラボ神部です。


どうやら、2008年の Web のキーワードから「クラウド」または「クラウドコンピューティング」を外すわけにはいかなくなってきたようです。様々なインターネット企業が次々にクラウドなサービスをリリースする中、ついに Adobe もクラウドサービスをはじめたもよう。


このエントリでは、その Adobe の新しいクラウドサービスについて見ていきながら、各社の”クラウド”なサービスについてもかんたんに特徴をおさらいしてみようと思います。


長い文章を読むのがめんどくさい!という方のために、先に乱暴に特徴を挙げておくとだいたいこのような感じです(まとめとしてはこれだけで十分かも!)


Adobe CoCoMo・・・無料、マルチメディア機能に優れたアプリケーションが開発出来る


Salesforce・・・有料、ビジネス向けの CRM のクラウド。開発者向け無料トライアルあり。


Google App Engine・・・無料。Python や Google API 設定済み


Amazon EC2・・・有料。かなり使い勝手のいい仮想サーバだが、環境は自分で構築する必要あり


Facebook・・・無料?SNSのユーザが消費者として近くにいる。近く有料審査も


Edge.co.Lab・・・無料、ただし審査あり。日本発のクラウドサービス


Windows Asure・・・有料。Amazon EC2 に似た使用リソースに応じた従量課金。


-クラウドコンピューティングが好きだ! - Favorites!


リッチなマルチメディア機能を備えた Adobe CoCoMo



まず,トップバッターは Adobe Labs の Cocomoです。これまでのクラウドサービスと比較して特徴的なのは、ウェブサービスに VoIPオーディオ、Webカメラの動画、リアルタイムファイル共有などを盛り込めること。上記記事にもスクリーンショットがありますが、なかなか派手なサービスが作れそうです。


-Adobe、クラウドでWebアプリを開発する「Cocomo」β公開 - ITmedia News


Adobe自身、Acrobat 9、Adobe Reader 9、Acrobat.comでCocomoを利用し、PDF文書のリアルタイムコラボレーション機能を提供しているという。またYahoo! Maps、YouTubeとCocomoのマッシュアップも公開されている。


うーん、この勢いで Microsoft もクラウドをはじめてくれて、Office 製品と Windows Live のコラボレーションとかやれるようになったりすると、面白いと思うんですけどね。


※と思ったら、やっぱりその計画はあるようです。こちらについては後述します。


Salesforce



上記記事で、Cocomo は PaaS(Platform as a Service)として紹介されていますが、PaaS といえば Salesforce。しかし Salesforce は主として CRM とか業務システムに関わる IT の王道的な部分に使われており、単体ではクラウド上になんらかの一般ユーザ向けサービスを公開するイメージはありません。しかしのちほど出番がまわってきますので、とりあえずここではリンクだけ。


-CRM(顧客管理) - SaaSのリーディングカンパニー セールスフォース・ドットコム - salesforce.com


開発者向け無料トライアルというのもあるようです。


-Developer Edition 無料トライアル - セールスフォース・ドットコム - salesforce.com


Google App Engine



Google App Engine は Google によって提供されるクラウドです。あらかじめ Google の API や Google が大好きなプログラミング言語 Python の実行環境を備えており、作成出来るアプリケーションは3つまで。小さな規模のアプリケーションであれば十分なアプリケーション実行のためのリソースを提供してくれます。


-第4回 Google App EngineでPythonプログラムを公開してみる:ITpro


利用開始まではそれほど難しくないようで、日本でも soraなりの日々 - fc2 - [python]Google App Engine使ってみた みたいな感じで早速サンプルコードを実行してみた方が多数見受けられます。ちなみにこちらのブログの方が公開している GAE のサービスはこちら。


-http://helloworld156.appspot.com/


appspot.com というのは、blogspot.com のシリーズなんでしょうね。きっと。


Amazon EC2/S3



Amazon EC2 は Amazon の提供する仮想 Linux サーバリソース。次のエントリが素晴らしくわかりやすいまとめになっています。


-Amazon EC2/S3を使ってみた - まとめ - RX-7乗りの適当な日々


さまざまな OS のインスタンスも用意されており、便利そうですね。ただし、インスタンスを立ち上げている場合は過員され、EC2 と組み合わせて使えるストレージS3 も安いとはいえ有料のサービスです。


そのあたりのコスト感についてはこちらのエントリが参考になりそうです。


-ここギコ!: Amazon EC2のランニングコストはそんなに安くなかった


有料の CDN なんてのも登場したようですね。-> Amazon CloudFront


さらに興味深いことに、こういったクラウドのサービスにアクセスするための Firefox 拡張機能も出ているようです(説明は二ページ目移行)


-Amazon S3を使いこなしてみよう ~Amazon EC2/S3環境構築のすべて~:CodeZine


ファイルのアップロードや権限設定など、FTP クライアントのように扱えて、便利そうですね。


Facebook



Facebook って SNS でしょ?と思う事なかれ。こんな風に、実に簡単にソーシャルアプリがつくれ、3日で100万ユーザを獲得するなんて恐ろしいことも起きているようです。さらにユーザに対してコンテンツ課金すらできてしまうプラットフォームです。


-Railsでゼロから作るFacebookアプリ開発:江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance - CNET Japan


さらに、誰かがアプリをインストールすると、それが ソーシャルグラフ を通じて伝搬して、あっという間にユーザが増えるかも知れない、というものです。簡単に言えば、誰かがアプリを入れたりするとそれが自分のSNS上の友人にもつたわっていくというごく簡単な仕組みですが、これがなかなかメディアとしては効果的かも知れないと期待されているのです。もちろんこうした伝搬は広告媒体としても大注目されています。


実際には まだそれが確実にマネタイズにつながるかどうかはまだ微妙 ですが、「きたるべき次の潮流」のネタとして期待されているのは間違いないでしょう。


Facebook はかなり波に乗っており、そんな Facebook アプリの認定制度をはじめるようです。この認定を受けるには定額課金が行われるようで、ソーシャルであろうとなかろうと、Facebook はクラウド上でのマネタイズを次々に成功させつつあるのです。


-Facebookが認定アプリ制度を開始。さらにどえらい収益モデルも。


-Facebookはアプリケーションデベロッパから*公式に*冥加金を取り立てます


さらに今月上旬には Facebook は Amazonと共に Salesforce と提携を発表しており、例えば Facebook の人間関係を使ってエンタープライズ向けのソーシャルアプリを作るといったことが現実のものとなるわけで、その勢いにはしばらくとどまるところがないのかもしれません。


日本発のクラウド的サービス Livedoor Edge co.Lab



既にこのブログでも 「EDGE co.Lab」始動に寄せて (ラボブログ) というエントリで触れましたが、Livedoor のラボ「EDGE」が Edge co.Lab というクラウドなサービスを実施しています。


このクラウドはめちゃめちゃリッチです。データホテルにあるリアルなサーバのインフラを(一定期間)潤沢に使えるうえ、


# マネタイズノウハウを提供

# スケーラビリティについて技術協力

# livedoorのサービスと連携


ということで、ビジネスモデルを伴った野良ウェブサービスには登竜門的サービスなわけです。これは livedoor 自体の事業の拡大にもつながるわけで、他の広く薄くマネタイズというよりは、間接的で濃密なクラウドといった味付けになっているように思います。


あるいみ堅実で日本らしいサービスなので、ビジネスモデルと堅実な技術力のある人は門戸を叩いてみるのがいいかもしれません。もっとクレイジーでドラスティックな技術力やアイディアを持つ人は Facebook や iPhone アプリで一山当てるのがいいのではないかと思います :-D


Microsoft のクラウドは Azure



Micorosoft も、Amazon EC2 の登場を受けて、Windows Asure というクラウドのサービスを 先月末に発表しています。


コードネームは Windows Azure。かつては Windows Clouds という仮称で呼ばれていたり、もっと前には Red Dog とも呼ばれていたようです。


モデルは EC2 と同じくインフラやプロセッサの使用量に応じた従量課金制。昔の大型コンピューターを思い起こさせないこともないですが、その性能は比べものにならないでしょう。ましてや申請もなしに個人がいつでも使えるという手軽さ。


開発環境としては .NET や Visual Studio に対応したものになるようですが、個人的には Power Point や Word, Excel などの HDD 内に何年分も蓄積されているデータを、うまく Web 上で再利用出来るような仕組みがあると、Micorosoft / Windows としての強みが最大限に発揮されるのではないかと思います。


もし世の中がクラウド化する未来がやってきたら?


クラウドなサービスは、バズワードではありながら運用と開発に高度なマネージメント能力とそれを支えるインフラが必要であるため、どの企業でもおいそれと真似できるというものでもありません。それだけに少数精鋭な企業がクラウドを構成し、それらは徐々に集まって Web 上にメテオロロジック(meteorologic = 気象)を起こしつつあります。


今まではアプリケーション運用やサービス提供のために自前でサーバを確保したり、インフラを整備したりするのが当たり前でしたが、こうして「環境」とセットになったインフラが用意されたとき、それが十分に性能に対しコストが安価であれば、そこに必要なのは信頼だけです。


Google の GMail のようなプライベート情報を前面に預けた SaaS サービスが当たり前になっている今、Salesforce しかり企業の提供するサービスがこういったクラウドサービスに雪崩のように開花しはじめるときが、そう遠くないうちに来るのかも知れません。

どのような変化が訪れる?


立場ごとに、クラウド化した世界を想像してみましょう。


消費者・・・困りません。URLですら変わらないで利用を続けられるかも知れません。しかし、自分の友人関係などの情報を含んだ「ソーシャルグラフ」がいつのまにかあなたの行動を先回りしているかもしれません。


サービスベンダー・・・アプリケーションやサービスを公開するためのホストが、自前で調達したサーバからクラウドに変化し、それらを提供するコストや速度が今の何分の1かになるかもしれません。またソーシャルグラフにより、顧客の人間関係をブラックボックスとして扱い、効果的にサービスによる売り上げを伸ばすかも知れません。しかし、クラウドに異常が発生したときにどう行動を起こすべきなのかは、誰もしらないままかもしれません。


クラウドのベンダー・・・ストレージだけでなくアプリケーションをホストしはじめることで、そこに蓄積される個人情報を含め、インフラ共々絶対にクラッシュできない公共機関的な存在になっていく可能性があります。そのためあらゆる非常事態に対する法的なリスクヘッジを利用規約に記載することになるかもしれません。


既存のインフラ・サーバのプロバイダ・・・もしクラウドに大きな欠点が露呈して社会的な問題として認知されるまでは、急激に受注額や利益率を下落させるかも知れません。このようにクラウドにパイを奪われるかも知れませんし、逆に今後は顧客からではなくクラウドから大量に発注を受ける可能性もあるので、先行きは雲の中のように不透明です。


さいごに


めちゃめちゃ長くなりましたが、そう遠くない未来にやってくるかも知れないこのクラウドという現象に対して、傘の備えを行ったり,自ら飛び込んでいくのはなかなか楽しいことかもしれません。個人的には、やっぱり Adobe のクラウドが楽しそうなので、近々サンプルアプリケーションにチャレンジしてみたいと思います。


なお長文につきヌケモレや間違いもあるかと思いますので、その場合は忌憚なくご指摘いただけましたら幸いです。


追記


クラウドサービスを二次元平面に分類したこちらの記事、わかりやすいかもです。


-XY座標軸で理解するクラウド - @IT


ご参考まで。

 

 

12/3追記


九州大学にもクラウド環境が登場したようです。


-九州大学にクラウド現れる - @IT


日本IBMは、晴海事業所内にクラウドの検証施設を開設し検証を行っているが、外部組織へのクラウド環境の構築は今回が初めてという。また、米IBMは米グーグルと協力し、米国のワシントン大学やマサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学などにクラウド環境を構築する取り組みを行っている


ふーん、興味深いですね。


こんな記事も。


-クラウド時代のスペシャリスト育成へ:九州大学、Hadoopを用いた分散処理を産学連携で検証 - ITmedia エンタープライズ



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2008年11月18日 11:00 に投稿されたエントリーのページです。

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