序章、前編、中編 とつづけてまいりましたが、こちらのエントリで最後になります。
もう読み疲れた!という方は、いきなり結論に飛んでくださっても結構です。
ふたつの成功例に学ぶ
さて、ここまでぶち上げてきたガラパゴスネットワークについてはひとまずおいておき、Web サービス単体の自助努力も出来ないかということも考えてみたいと思います。
私がこのようなネットワークを考えたくなるのは、そもそも自分が十分に継続性のあるサービスを提供できた経験がないためでもあります。そういうものがあれば、事業化なり収益化などに突き進めばいいだけですし、mixi やモバゲー、2ちゃんねるやニコニコ動画のように、企業として成功している例もありますが、これらは数少ない独力でニッチを開拓したサービスであるので、すぐにはこれらから「学び」を発見することは難しいように思います。
しかし、Web サービスで儲けや手応えを感じるには、ネットでお金を落としてくれる人向けのサービス傾向を4つほど書いてみる。 というエントリで挙げられたような Web の利用属性がありながら良質顧客のいるたような分野に乗り込んでいくことも検討材料に入れなくてはなりません。
そんな競合が沢山の場所に予備知識なしで乗り込んでいってもどうにもならないのも明らか。そこで、上手にニッチを築いているふたつの例についてみたいと思います。
リンクシンクの「ウェブカレ」に学ぶ。
またまた VENTURE VIEW からの引用ですが、女性向け2次元恋愛シミュレーションSNS「ウェブカレ」の会員数が1万人を突破--リンクシンク - VENTURE VIEW という記事もあるように、リンクシンクは前述のエントリやこのエントリのシリーズの序章でも述べた「女性の恋愛要素」に Web アプリケーションを使って切り込んでいきました。
成果: 同社の発表によると、サービス開始の9月10日から15日までの5日間で、会員数が1万人を突破。PV数では350万
機能:2次元のキャラクターである「カレ」との会話のほか、ミニブログ「ミニログ」や「お絵かきBBS」などの機能
見通し:着ボイスや携帯電話の待受画像、カレとメールメールのやりとりができるサービスなどバージョンアップを10月に予定
こちらは、人口無能的な会話エンジンと、SNSの作り込みを踏まえて、満を持してのリリースだったことがわかります。開発を担当したのは、ウェブアプリケーションの脆弱性の個性的な指摘行動で名を馳せているぼくはまちちゃん。これは副次的に「ウェブカレ」の存在をはてなユーザに知らしめてくれましたが、一万会員をもたらしたのはおそらくはてぶではなく大半がクチコミやはてなとはあまり関係ないオンライン・オフラインの場所への露出なのではないかと思います。
もしその予想が当たっているのならば、狙い所を間違えなかったからこそ、Web のアプリでも手応えや儲けにつながる顧客を獲得することができた、そのように述べることも出来るように思います。
studio15さんの各種サービスに学ぶ。
こちら個人の開発者が作られたサイトになりますが、こちらの studio15 の 小幡さんにお会いしたときに、ものすごい興味深いお話を聞いたことを紹介したいと思います。
ページを見ていただけるとわかるように、かなり多くのサービスを運営されていますが、小幡さんはそのほとんどを黒字経営に導いているそうなのです。私から見ると超人レベルです。よく見ると、件のエントリでお金を落とす顧客がいると主張されている「ダイエットサービス」もしっかり入っています。
サービス制作に当たり studio15 さん独特のセンスの良さは上乗せされていますが、基本的なアイディアはそれほどかわらないはずです。しかし長期的に黒字経営を続けていけるという点は私の作るようなサイトとは全然異なります。黒字運営が出来るか否か、それが最初の段階の狙いで変わってくるのかどうか興味深いところです。また強くコミュニティを意識したつくりが随所に見られますので、そういった点が Web のサービスの寿命を上手に延ばしてくれているのかも知れません。
ページの利用者を顧客として呼び込み、広告収入などから黒字を実現していく、そういうことをどのサイトも出来るようになれば、もっともっとはてブ以外の数字で自分のサイトを語れるようになるのではないでしょうか。
ドラスティックにソーシャルブックマークの仕組みを変えてしまう
一方で、ドラスティックに話題ポータルであるはてなブックマークの代替をつくってしまう方法もあるかと思います。たとえば「ソーシャルブックマーク」ならぬ「儲かるブックマーク」みたいにビジネスとしての面白さがランキングの上下に影響するしくみを、まったく別につくって儲けや手応えにつながるウェブサイトだけを集めていくという方法。こちらはかなりの仲間がひつようになりそうな気がします。
またこれは以前から思っていたことですが、今度こそ本気で、女性市場向けブックマークというのを考えてみてもいいような気がします。実際ブログを使っている女性は多いのですが、ソーシャルブックマークとなると数が多くいる印象がしません。しかしうまく、女性が「ブログ書いてる?」みたいなノリで「ブクマしてる?」みたいなノリで参加できる仕組み作り(もちろん携帯からの投稿をメインとする)が出来たとしたら、今とはまったく違う価値観の「よい」リソースに触れることができるようになります。
違う価値観のブックマーカーとのマッチングは、今回のはてなリニューアルの肝でもあるようなので、それらが基盤として存在するのなら、あとははてなブックマークにとにかく女性を連れてくれば、より「儲かり」につながり手応えを感じられる顧客との出会いの機会が増えるのかも知れません。まあこれも過剰な期待はとても出来ませんけれども。
同じように、はてブされてないから流行っていない、とは言われたくない:じだらく-マーケティングが語りたいけど語れない人のブログ というエントリを書かれている方のように、近い業界にいながらも、もっと数字を持っているサービスに精通している人やビジネスの中核に関わっているひとたちを、もっともっと呼び込むことができえば、そのメディアはどんどんバランスのとれたメディアや主たる市場へと成長していくのではないでしょうか。
さて、ずいぶん長くなりましたけど、これで最後です。
ここまでのエントリで言ってきたことを3行でまとめると
・Web サービス検索やマイニングの基盤となる相互ネットワークが必要なのでは!
・Web サービス(携帯サイト含む)をつくれば作るほどちゃんと儲けにつながるネットワークを作りたい!
(実際に特定分野に突入して顧客をつかんでる Web サービスもある!)
・ビジネスに興味のある人たちやF1層の女性も巻き込んでいくことで、既存のソーシャルブックマークもより母数を増やしていけたらベスト!
というあたりになるでしょうか。
日々、ウェブのサービスを開発している皆様(特に個人や小規模ベンチャーでやられている方)、自分自身の熱中していることの行く末について、今こそ一緒に考えてみませんか?
また、はてなブックマークの新サービスがあと二ヶ月で立ち上がるそうですが、それまでの間 Web サイトの誕生と消費、忘却のサイクルについて考え直してみて、いつまでも自分のサービスに人が呼べる方法について、考えてみませんか?
オンオフ問わず、今年いっぱいはまたたくさんの人と会いお話をしていきたいと考えています。これらの3つのエントリを呼んで少しでもなにか感じていただけた方は、コメントやフィードバック、コンタクトをいただければ大変嬉しいです。
今回のエントリ集のインデックス
今こそ Web サービス公開を起点としたビジネスモデルを考えるべきでは?(序章) (ラボブログ)
今こそ Web サービス公開を起点としたビジネスモデルを考えるべきでは?(前編) (ラボブログ)
今こそ Web サービス公開を起点としたビジネスモデルを考えるべきでは?(中編) (ラボブログ)
今こそ Web サービス公開を起点としたビジネスモデルを考えるべきでは?(後編) (ラボブログ)
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