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Web 指向な勤怠管理「シフター」を競合と比較&まとめ

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shifter.png


ラボ神部です。


「アルバイトの勤怠管理」という本来ちょっと硬めのサービスが、今週ちょっと話題になりました。名前は「シフター」。アルバイトのシフト管理の悩みを解決してくれるそうです。なんで注目されてるのかなーと不思議に思っていたのですが、【急募】ウェブサービス開発のプログラマとデザイナー - p4lifeのメモ というエントリーをきっかけに今日偶然にも社長の石原明彦さんと Skype Chat 経由でお話させていただく機会があり、思い切ってその理由をエントリーに起こしてみることにしました。ついでに他の勤怠管理ASP/SaaS プロダクトとの比較もしつつ、この「シフター」についてまとめをしてみたいと思います。


すっごく長いので、競合との比較に興味がなく読み飛ばしたい方は「続きを読む」の続きから読んでみてください


30分くらいリサーチしてみていろいろわかってきたことがあるのですが、結論から言うと大成功のスタートを切った新世代のサービスだな-、という印象です。ただし、それはニッチな部分での大成功であって、ここから成長して市場で一定のシェアを納めるところまでいくのかどうかはまだまだ未知数なところです。そこで、かんたんに競合製品と比較してみます(社名などは敬称略でいかせていたきます)。


早速競合製品をかたっぱしからあたってみる


Job Communicator by 株式会社ウェブインパクト


世間的な実情はわかりませんが、Google で複数の単語の組み合わせでアルバイトの勤怠管理 ASP について調べていくと、とにかく一番最初に出てくるのが株式会社ウェブインパクトの Job Communicator です。ここは国内のグループウェア市場ではかなりのシェアを持っていると思われる desknet's を開発している NEOJAPAN,Inc. 株式会社ネオジャパン と提携して グループウェアから勤怠管理を使えるようにする など既に裾野を広げる作業に入っています。


画面としては 操作方法のページにあるような感じ でいかにも業務アプリ-、って感じですね。ASP なので対応動作環境も大事になりますが対応ブラウザは IE のみ、携帯電話は 2G 以降が対応(ウィルコムは記載無し)のようです。人材派遣、店舗・チェーン店向け・コールセンター向けの3パッケージがあり、人材派遣向けのパッケージでは300名前後から、数千人規模までカヴァーできるとのことです。当然実績もあるでしょうし、このあたりはさすがですね。トップページにある1ユーザあたり月額157円という数字も覚えておきたいです(desknet's との組み合わせバージョンでは、199円を割らないんですけどね)


Fooding Journal by 株式会社 プロス


ニュースサイトの記事によると、まずは飲食店をターゲットに ということですので、同カテゴリである フーディングジャーナルというASP について見てみたいと思います。とはいえこちらは売り上げ管理や仕入れまでやれちゃうので、あまり比較にはならないと思いますし、主にシフト管理はとりまわしを行う従業員が行い、アルバイトはタイムカードの打刻のみのようです。アルバイトの都合というよりは、予算面でオーバーしない(売上予算に基づいたシフト作成)が出来るというという経営面からのトップダウンという特徴があるようです。たしかに、アルバイトが一生懸命働いてくれたのはいいけど、払うお金がないのでは本末転倒ですしね。VPNを経由して POS との連携が出来たり各種帳票がつくれたりと、これはもうかなり本格的です。初期導入費用は20万円から、月額利用料は応相談と言うこと。店舗が十数店舗レベルになってきた段階で頼るべきサービスと言えそうです。


バイトマスター・勤怠管理タイプ by データバンク株式会社


つづいて、バイトマスター・勤怠管理タイプ。 これはかなりシフターに近いのではないでしょうか。作成はデータバンク株式会社
主要機能の項目を見ると目を引かれるのが勤怠管理システムに「信頼ポイント」というものを設けていること。いわゆるポイント制でモチベーションを上げようという取り組みで、これはちょっと面白いかも。なんとなくバリュープレスの経験値システムを思い出しますね。動作環境は IE のみ、携帯電話は携帯三キャリア。


その他変わり種


横道にそれますが、最近の勤怠管理の流行りとしては、AIS の静脈認証・指紋認証を用いた ASP 勤怠管理システムSONY 開発の Felica を使った勤怠管理システムもあります。ただしこれはら設備の導入も含めると初期費用が若干ですが上乗せしてかかりそうです。

 

ではシフターはどんな ASP/SaaS サービス?


ざくっと見てきただけでも、だいぶシフターの特徴がわかってきました。


■競合に比べシフターの強い点■


・50人めいっぱい枠を使った場合は、一ヶ月あたりひとり100円なのでどこの競合よりも安く見える。60日の無料試用期間付き


・カラーリングによるシフトの状態表示が他の競合製品にないか、あるいはよりわかりやすいのであればそこが強み。またAJAX を使ったドラッグ&ドロップ操作で直感的。


携帯電話をタイムカードの打刻機代わりに使うだけではなく、希望シフトを出せる。アルバイトの労働に関するモチベーションが従来システムよりもポジティブになる(かも)


・対応OSが Windows, Mac 、対応ブラウザが IEおよびFirefox、対応携帯キャリアが ドコモにAU(EZweb)に Sofutobank(Yahoo! ケータイ)にWillcom という感じで クロスOS、クロスブラウザ、クロスキャリアとほぼ網羅しています。他サービスのおおむね IE と 携帯3キャリアのみの対応が中心なのと比べれば動作環境は格段に広い


■競合に比べシフターの弱いかもしれない点■


1アカウントあたり50人までのシフト管理に対応という規模が、コスト面では非常に有利だが場合によってはスケールとして足りないケースもあるかもしれない。


・在庫管理や予算管理、帳票管理などの機能がない。これはサービスをシンプルにするという点での判断に基づいているようだが、それらの処理をしたければ別立てのソフトが必要ということになり、実際のクライアントのニーズに応えられるかどうかはケースバイケース。それらを一括でやってくれるソフトに勤怠管理があれば多少使いにくくても使いたくなってしまうのも人情。


・AJAX を利用している分ブラウザのバージョンアップごとに動作確認の必要があり、製品のライフサイクルが短い(もっとも店舗で利用するブラウザが頻繁にバージョンアップされることはないだろうが)


・Web で堂々と求人するくらい現在は事業拡大の時期。確実なサポートを求める顧客には利用しにくく感じられるかもしれない。もっとも実際の所は営業資源も開発資源も十分潤沢で、これは成長速度を速める施策かもしれないが、顧客とすればどう判断するかわからない


特筆すべき点


ということで、競合製品と比較してのざっくりの評価をしてみましたが、ここは別に ASP/SaaS実力診断 の場所ではないので、Web アプリケーションとしてのシフターについて特筆すべき点を上げていきたいと思います。


1.Web サービス作りの教科書 Getting Real にかなったサービス


あとで行く というサービスを運http://www.crunchbase.com/assets/images/resized/0001/6854/16854v2-max-250x250.jpg営されている石原淳也さんブログエントリで
述べられていること
そのままなのですが、Web サービスづくりのイロハともいえる Getting Real: The Book by 37signals に書かれていることに沿って作られている部分も多く、その通りシンプルで使いやすいサービスになっているということ。これはプレスリリースやインタビュー、求人募集のことばの端々にも表れているのですが、こういう裏打ちがあると非常にわかりやすいし、共感できます。


2.CakePHP、MySQL など LAMP + AJAX で作られている


今年になってフレームワークに目覚め、studio15 の小幡さんにも後押しされて CakePHP使い始めた私としては、この組み合わせであっただけで大幅にポイントアップです!(こちらも求人募集に書かれてあったのですが、ここははっきり言って私情です 笑)シフト管理のようなアプリケーションも CakePHP でつくってしまえるのですね~。それからBTS の Redmine.JP というツールだけは、寡聞にして知りませんでした。


3.ディジタルデバイドに配慮、または越えようとしている


これは本当に おかんでも使える? ワイアードのアルバイト勤務管理サービス「シフター」 - ITmedia Biz.ID という記事でこのフレーズを採用した杉本吏記者の功績だと思うのですが「オカンでも使える」ということが、使いやすさへのこだわりを表しています。実際オカンが使わなければならない機会はまだ多くないはずですが、いっそパートに出ているオカンに使ってもらうとか、オカンが家族と家事の役割分担するのに使ってもらうとかそういうプロモーションをやっちゃってもいいくらいいいフレーズだと思います。個人的にもパソコンが苦手 だったころにウェブに出会って徐々にリテラシーを身につけていったので、こういう姿勢は素直に応援したくなります。


4.いい知人に恵まれている


調べれば調べるほどいろいろ出てくるのですが、会社を構成する石原さんと鶴岡さんの友人知人関係が非常にこの二人もしくはシフターをリリースしたワイアードという会社に対してすばらしくポジティブな評価をし、応援し、見守っているということが感じ取れることです。そろそろシフト管理のシフターというかワイアードの「ヒト」について一言というブログエントリでもそのひととなりに語られており、なかなか感動的なエントリになっています(笑)


今日も Skype Chat 経由で聞いた話では、事業をここまで持ってくるのに二年かかったということで、本当におふたりはいいコンビを越えたベストパートナーであり、その共同事業がきれいにスタートできたということは、本当によかったなぁと思わされます。こんな話を読んでいると、自分もなんだか応援したくなっちゃう、それこそが経営者としてのすばらしい資質なのではないかと思います。例えば、こういう会社を地域も国も大事にしなきゃいけない…なんて言いたくなるようなw


もっとも実際に顧客が判断の際に重視するのは実績だったり信用だったり価格だったりサポートだったりするわけなので、それがプラスになるかどうかは不可知なわけですけどね。


5.Web っぽい


これはすごく漠然としているのですが、シフターは他の ASP/SaaSの伝統的なイントラネット的製品と違って、非常にウェブっぽいです。アルバイトのシフトをWeb上で管理する「シフター」が相当イケてる というエントリの最後に紹介されていますが、クーシー さんというデザイン会社が手がけられたという製品紹介サイトがものすごくできがよく、Web でバズで広まるにはものすごくよく仕上がっていると言えると思います。ポップでキュートで清潔感があり「労働」とか「業務」とかいうものとはある種浮世離れしていて、勤怠管理という作業がほんとに楽しくできちゃいそうに感じてしまいます。Web制作の案件をお持ちの方は予算が潤沢で納期も厳しくない時にお仕事をお願いしてみてはどうでしょうか^^


こういうのが従来からの企業経営者とか人事管理担当者にささるのかどうかは非常に微妙なところですが、製品としての販路として経済紙やどぶ板営業ではなく Web のバズという新しいニッチを伴った販路を選んだとしたのであれば、この戦略は十分成功しているといえるでしょう。同じようなカテゴリの、勤怠管理という本来地味極まり無いようなサービスでこんなにはてなブックマークを集め、なおかつ様々なサイトからブログで言及を受けたサイトがあったでしょうか。世界的には既にいくらでもあるのかもしれませんが、国内のサービスではまだ珍しくて新しいケースなのではないかと思います。


「Web っぽい」ことはある意味イントラネットよりは不安定で信頼性が低いと感じる顧客もいるかもしれません。しかし、この路線が成功するならば Web 系企業には朗報です。これまで SIer にがっちり取り込まれてきた部門を、Web を十分安定したプラットフォームと見なした上で既存の業務インフラやイントラネットちっくなアプリケーションを、軽量でシンプルな Web とモバイルで完結するサービスとして再定義し直せることにつなげていけるのですから。そうしたら Web 系企業や開発者の市場はもっと広がってくるわけで、この点は興味深く見ていきたいと思います。


その他気になったこと


この点はあまり突っ込みが見られなかったのですが、個人的に気になったのは、ドメインなどに使われているアルファベット表記です。社名もサービス名も、


ワイアード株式会社・・・http://y-ard.jp/


シフター・・・http://ciftr.y-ard.jp/


という感じで ワイアード -> y-ard、シフター -> ciftr とにわかには連想しにくい表記になっています。シフターのドメインにワイアードが含まれてるのもちょっとわかりにくいかも?(それともサービスドメインは別なのでしょうか)このあたりは独自のネーミングセンスなのでしょうけど、日本人としてカタカナから URL がイメージしにくいのは困るなと思いました。また普通はワイアードといえば wired、シフターといえば shifter を連想するので、別の企業や個人にドメインを取られてしまうというリスクも出てくるのではないかと思います。


まとめ


すっごく長くなったけど、シフターは Web 系の人なら応援したい、人に好かれる人たちがつくっているサービスだよ!(そして今後の可能性はまさに未知数)というまとめでいかがでしょうか。


グループウェアについて余談

グループウェアとしてはまさに ASP/SaaS の雄として真っ先に Salesforce の名前が挙げられるでしょうし、同カテゴリでの競合となるべくネオジャパンが desknet's の SaaS 版 Applitus(アプリタス)提供を開始したり、Web ではサイボウズラボで有名なサイボウズが サイボウズSaaS型グループウェアを影響してたりして、グループウェアの世界ではかなり主流になりつつあるようです。


このへんははてなブックマークだけ見ててもなかなか耳に入ってこない話で、それこそ日経とかビジネス誌を読んでないと最新情報にはついて行けないかもしれないですね。はてなブックマークを次に使ってもらうべきなのは、こういう中規模以上のIT業界で営業・販売・開発をしている人なのかもしれませんね。めざせポストビジネス・経済紙。


(なんだか余談で言いたいことが一番大きくなってしまいました)


(追記)


ワイアードの会社ホームページそれから社長の明彦さんのブログ の方からそれぞれリンクいただきました。どうもこちらのブログにトラックバックがうまく送れない不具合があるようで、申し訳ありませんでした。


それからもうひとつ、プロモーションサイトデザインの他に、シフター本体のデザインを手がけられた方のブログがこちら -> Y-Ardという会社のCiftrというASPサービスのデザインをしました - the cycles of activity。デザインからテクノロジ、ユーザビリティとセンスの良さなど全てを兼ね備えて名伽行けないので、インターフェスデザイナーっていうのはカテゴリとしてもっと確立してもいいのではないかと思います。livedoor RSS Reader とか、はてな RSS の番組表モードみたいな個性のあるインターフェース研究も機会があったらやってみたいですねー。

 



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ブログ執筆者の一人です。ネットの新しい話題や Web まわりのプログラミング、Web 広告について書いていきたいと思います。


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2008年09月18日 22:10 に投稿されたエントリーのページです。

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