ラボ神部です。
このところ、オープンなライセンスをベースとしたライセンス付与を支援する機能がついたクリエイターコミュニティを見かけます。利用する側からするとクリエイターを支援してくれるコミュニティに見え、提供する側としては著作物のデータベースが出来上がっていき、それの室がよければよいコンテンツとして認知されトラフィックが増えるという期待が持てます。
ただし以前は著作権など著作物に関するライセンスがサービス提供者に帰属していたり、勝手にそれらの著作物を使って出版されてしまう可能性があるなど、クリエイターとしては利用しづらい側面もありました。そこで、クリエイティブコモンズのようなパブリックライセンスを積極的に採用することで、クリエイター側が意図した形態でのライセンスが出来るだけ行われるようにすることで、コミュニティをより活発にしようと考えるサービスがこのように出てきたのかもしれません。
前置きが長くなりましたが、そんなパブリックライセンスを利用したサイトをいくつか見ていってみます。
loftwork.com
まずは loftwork.com。去年の THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2007(コンカン2007) で知る機会があったのですが、サイトの方を見るとなかなか本格的な作品が集まっています。
-[loftwork.com] 日本最大のデザイナー、 イラストレーター、 映像クリエイター、その他全てのクリエイターのためのポータル
芸術的な表現が出来る人が集まっている感じで、かなりのレベルの高さを感じます。仕事を依頼したい人、受けたい人双方にとって既に実用的なサイトになっているのではないでしょうか。先週には登録クリエイター数も1万人を超えたようです。クリエイティブ・コモンズへの取組みに対しての記述も公開されています。
pixiv と ニコニ・コモンズ
続いては、イラストが趣味のプログラマー上谷隆宏氏が考案し、現在はクルーク株式会社が運営するSNS、「pixiv」。Wikipedia によると、カテゴリではなくタグ付けによるフォークソノミーによる分類が使われているようです。
トップページにある「注目のタグ」を見る限り、loftwork とはかなり異なり、著作物をベースにした作品が多く、クリエイターが自分の作品を発表するという側面と同じくらいに、イラストを通じてコミュニケーションをするという側面が強調されているように思います。そのためか、掲載された作品についてのライセンス表示はあまり明確でありません。これは気軽なようで、一定以上の範囲に作品が伝播することを妨げてしまう側面もあるとも考えられます。
そこで、そんな pixiv と連携して、クリエイティブコモンズとはまた別のライセンス形態を考案したサービスが登場しました。それが ニコニ・コモンズ で、あり、大元のコンセプトとしては「ニコニコ動画で作品を作るときは自由に使ってもらってかまいませんよ、っていう素材庫」とのことですが、利用サイトを限定しないライセンス形態を用意したり、APIを利用して外部サイトへの機能提供を行うなど汎用的に利用できるライセンスとなっており、その実際の提供先第一弾が「pixiv」だということです。どこまでこのライセンスが普及するのかわかりませんが、クリエイティブコモンズにはある種国内ではじめて登場したライバルといえるのではないでしょうか。
総務省による「サイバー特区」の取組み
こんな風に、パブリックなライセンスを全面に押し出した、人が集まりそうなサイトが出てくると、それをネタに政策を考える人もいるようで、国がそういったスペースを創設するというニュースが出ています。
-総務省、著作権料を気にせず既存の映像や音楽を自由に加工できる空間をインターネット上に創設へ - GIGAZINE
コミュニティサイトというよりは、「○○特区」の延長線上の「実証実験」となるようです。ソーシャルブックマークのコメントなどではかなりネガティブなコメントが付いていますが、税金を使ってやるのであればそれなりになるほどと思わせるような実験と結果の共有が行われて欲しいものです。
ファミ通FUNS UP
最後に、もっと緩いものでは、こんなものも出てきたようです。
-メーカー公認のゲームイラスト・コスプレ画像投稿サイト 「ファミ通FUNS UP」
-ファミ通ファンズアップ
この「公認」という呼び方をルール付きで示す方が、pixiv や ニコニ・コモンズのようなコミュニティ運営を行うには、ライセンスを創設するよりもかなりわかりやすいのではないかと個人的には感じています。
お知らせ:ニコニ・コモンズ検索プラグイン
最後に宣伝ですが、ニコニ・コモンズ検索プラグイン というのを作成してみました。よろしければお試しください。
(9/17追記)
ひとつ有名どころを忘れていました。
初音ミクをはじめとした、VOCALOID 楽曲の投稿コミュニティですね。あまり目につくところにないのですが、分析されているブログがあるので、そちらを紹介しておきます。2008-01-29 - 犬が眠った日、ピアプロ投稿作品のライセンス条件 防火ロイド「亞北ネル」/ウェブリブログ
こういうライセンスも様々出てきましたから、作者がライセンスを変えたいと思ったときのためにも、ライセンス同士の互換性や相互変換が可能な範囲について調べてみると役立つかもしれませんね。
(11/4追記)
こちらも忘れていました。みんなの投稿コミュニティサイト OPEN POST.JP。去年の今頃からいろいろやっていたようなのですが、新たな展開をはじめたようです。->ニコニ・コモンズで手塚治虫氏の作品が利用可能に:ニュース - CNET Japan
素材はニワンゴが運営するサイトニコニ・コモンズ上で配信され、ニワンゴが運営する動画投稿サービス「SMILEVIDEO」のほか、ニコニ・コモンズ対応サイトで利用できる。
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