カンヌ広告祭の受賞作を見ていたら、発想じたいはまあブレストで出なくもないようなアイデアでも、徹底的にふくらませ徹底的に細部までつくりみ徹底的に練りこむことでここまでのパワーを持ちえるのかってことに気づかされる。(もちろん発想じたい真似できないようなものもいっぱいあるわけだけれど)
ふだんの業務の中でついつい締め切りにあわせて妥協したり、着地させることに終始したりしがちなのだけれど、同じひとつのコアアイデアでも細部にまでこだわることで、しあがりがまったく違ってくる。いいものを提供したければ、がんばって細部にこだわらざるをえないのだ。たとえそれが打ち合わせメモひとつであっても、何かしら細部に工夫があることがのぞましい。
って当たり前の原点に、時々は立ち返らないといけないなあと思わされた夜でした。「神は細部に宿る」(God is in the detail)というわけですね。神が宿った仕事をみることが一番の刺激。
ちなみにここまで書いて思い出したのですが、「God is in the detail」と言った建築家ミース・ファン・デル・ローエにはもうひとつ、「Less is more」という有名な言葉があります。少ないことはよいことだ。機能主義ですら過剰。なぜなら機能は時とともに変化し、やがて建築も対応できなくなるから。もっと均質な、ユニバーサルな、なにもない空間を! そこにこそ豊穣が生まれる、というわけです。(って結構勝手に書いているので解釈間違っているかもしれません。
だからなんだというわけではないのですが、そのむかし、とある住宅メーカーさんに「Less is more = レシズモ」ってブランド名を提案したことがあった若かりしころを思い出し、いま、ふと、Googleで「レシズモ」って検索してみたわけです。
そしたら、なんと0件! 思いついた言葉でヒット数0件というのはそれを思いついたひとが世界で自分だけ?というわけでなんだかうれしい(もちろん実際にはサイトに出てないだけって可能性もあるわけですが)。
機能や装飾をそぎ落としたシンプルさが勝負の商品のネーミングでお困りでしたら「レシズモ」ってワード、喜んで提供いたします。使用料はロオジエのディナー1回でOKです。
あとついでにもうひとつワードをおさえておくと、ロバート・ヴェンチューリの「Less is bore」。これはそのまんま「Less is more」に続いて吐かれた「Lessって結局退屈だよね」という名言。こちらは日本ブランド風に言えば「レシズボ」ですね。もちろん現在Googleヒット件数0件! レシズモに続く第2弾商品、シンプルの対極をいく饒舌かつ過剰なちょっと邪悪なデザインのブランドにいかがでしょう、「レシズボ」。使用料はロブションディナー1回で。
というわけで、だらだらと書いてきましたが、ジャストアイデアもとことん細部まで膨らませることでビッグアイデアになっていく可能性がある、というお話でした。(どこが)
コメント (4)
ミースつながりで、
先日、六本木ヒルズの、ル・コルビジュの展覧会に行ってきました。
やっぱり建築っておもしろいですねぇ。
サイトを作るときの考え方と、
たくさん共通点がある気がします。
Posted by: gaku | 2007年06月27日 10:40
以前聞いたことある話ですが、
Webの世界には建築出身者が意外といらっしゃるとか。
本当かどうかは定かでないですが、建築デザインのアプローチとWebサイトのそれが似ているのだそう。
Webサイトの構造ってとっても空間的で立体的だなぁと。
Posted by: nini | 2007年06月27日 11:22
>gakuさん、niniさん、
コメントありがとうございます。
サイトと建築の共通点、どんなところなんでしょうかね。
・コンセプトが重要。
・立体的構造物。
・導線、導線。
・見た目だけでなく裏側の技術を知ってないと。
・ユーザー・エクスペリエンス。
・設計と施工。
・建売でなく注文。
とかとか?
Posted by: 是永聡 | 2007年06月27日 11:50
追伸:
2007年6月28日現在、Googleで「レシズモ」って検索すると見事にスパイスボックスBLOGただ1件!
http://tinyurl.com/35tpnl
Posted by: 是永聡 | 2007年06月28日 21:53